昆虫フィギュアの挑戦

昆虫フィギュアの挑戦

日本ならではのリアリティと精巧な出来栄え

“日本の動物シリーズ”という製菓品のおまけ(食玩)が大人気となったのは記憶に新しいだろう。すでに10年以上は経っているが、それ以降も、ガチャポン(ガチャガチャの方が分かりやすいかも?)を中心に、動物フィギュアは未だに新商品が毎月のように販売されている。コストパフォーマンスにも惹かれ、普段は食べないチョコを大人がセットで買った(まさしく大人買い)のも、そう遠い昔ではない。

原型師「小暈」さんの作品「アキアカネ」

 ブームを巻き起こした食玩フィギュア。何といっても魅力なのが、やはり価格。商品の製造工程のほとんどが中国だったので、低価格化を実現、気軽に買えることが可能となった。それ以前も、リアルフィギュアは特撮ものを中心に販売していたが、やはり価格が高く、どちらかというとマニア向けだった。それが食玩と云う体裁ていさいをとってはいるものの、200円程度で購入できるのだから、世のお父さんは夢中になった。何回買っても欲しい動物がでなくて、チョコばっかり増えてしまい、家族からは大ヒンシュクをかってしまった人も多かっただろう。子供のころの仮面ライダースナックを懐なつかしく思い出した方もいたはず。

ガチャポンの「日本のクワガタ」 難しいとされる脚の再生が見事。


 その低価格で、今までのマニア納得の精巧な商品が手に入るのだから、売れないはずがない。特撮ものやアニメのフィギュア等に興味のないお父さん達も、その出来栄えに驚いたはず。「よくできているなぁ」などと感心しながら、机の上に並べたりして楽しんだのではないだろうか。
 中国で大量生産をしているものの、やはり肝になるのは原型。いわゆる元になるデザインの作成。それを作成するのが原型師。あの「日本の動物シリーズ」もほとんど一人の原型師が造っていたのだから驚き。まあ、そんな驚愕の職人技をもっている、原型師という職業を世に知らしめたと云う意味でも、あの“食玩”は大きな役割を果たした。

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