ルリボシカミキリの青
そんなこんなの日が続いたのだが、初コンタクトは不意に現れる。
今まで、どんなに遠く、そして山深く探索しても見つからなかったルリボシカミキリ。見つけたのは、人里近い自然公園だった。ただ公園といっても近所の遊戯や砂場のある公園ではない。自然公園なので、自然保護を目的として雑木林の中に遊歩道のあるような、自然を直に楽しむ、そんな公園だ。それでも、こんな場所にいるなどとは期待していなかった。しかし、発見とはこんなものかもしれない。
雑木林に無造作に積まれた古い材木。覗き込むと二匹のルリボシかミリが目に入ったのだ。その色合いはやはり、自然には相応しくない。確かに小さいのだが、蛍光色のように輝くパステル色は奇異で、目立つ存在だ。思わず「ほっこり」。誰かの台詞ではないが「やっと会えたね」という気分。
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どちらかと云えば自然界の中でもくすんだ古木が、その派手な色をより強調しており、まるで玩具のように見える。動きも小さく、それは可愛らしいと、おじさんでも思ってしまう。それほど、不思議だが魅力のある生き物なのだ。どうして、今までこの姿を見たことがないのか。派手な蝶やトンボ、カメムシやタマムシも自然下で生きている姿を見てきたのに、これほど派手な生き物を見逃してきたとは。まあ、本物を見れたので、良かったのだが。などと感動もつかの間、直ぐに捕獲することに。しかし、期待していたわけではないので、それなりの準備がしていなかった。動きは遅いのだが、すぐに飛翔体制に入るため、少々てこずったものの、小さな網でどうにか捕獲。クルマに乗り付けると、家路を急いだ。思いがけない収穫に気持ちは昂ぶっていた。やはり「ほっこり」する。
ルリボシカミキリは昼間に餌を探しに出てくる。花粉、樹液などを好んで食べ、昼過ぎには繁殖行動のために立ち枯れた広葉樹、積まれた薪などに集まってくる。そう、あの採集時も夕方だった。繁殖で集った二匹だったのだろうか。それにしては小さい。それとも孵化したばかりだったのか。それにしては大きさが異なる。どちらにしても、古木で採集できることは確かなようだ。
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