快適オケラ生活 第17話

快適オケラ生活 第17話

夏に耐えうる奇跡の餌?

 今年の夏はあまり暑くない日が続き、どちらかというと過ごしやすかった。しかし、8月になると、急に猛暑が蘇り、35℃を超える猛暑日が続いた。夏本番なのだが、ケースの底を這いずり回る以外に、虫けら達の様子に変化はない。夏になると鳴くのではないのかと心配していたのだが、その気配もない。
 そう、オケラは鳴くのです。コオロギの仲間なので、羽をすり合わせての求愛行動なのだろう。よく、夏の草むらの根元の方から聞こえる「ジージー」という耳障りな泣き声はオケラの鳴き声。昔はミミズの鳴き声といわれていた。勘違いにも「蚯蚓(ミミズ)鳴く」は季語にもなっている。「蚯蚓が蛇に歌を教わりに行ったとき、目との交換条件を出されて、声と目をとりかえた」という説話もある。最初の勘違いが、果てしなく広がる典型的なパターンだが、声と目を交換するかねぇ。ただ秋の季語なので、夏の終わり辺りから騒がしくなるかもしれないので、警戒は必要だ。といっても、策など考えつかない。
 因みに樹上や高い草木から聞こえてくる同じような鳴き声の犯人はクビキリギリスというクサキリの仲間。こちらは日中でも、注意すれば見つけることができる。昔はよく、素手で捕まえたことを思い出す。大きいだけで、余り魅力はなかったので、必ずキャッチ&リリースした。

まさしく虫食い状態のニンジン

 暑さがぶり返したこともあり、まだ餌には悩まされている。前にも報告したが、植物性の栄養は、ニンジンで解決している。薄く切ったニンジンをケースの壁に沿って差し込むと、食い荒らされて、3日ほどで生ごみの一部となっている。また、ニンジンは傷みも遅く、カビも生えないので食べつくすまで放っておける優れものだ。問題は動物性の栄養だ。生肉、ニボシ、ドッグフードと与えたが一長一短。とくに一番扱いやすいドッグフードのカビには困らせられた。前日にセットすると、一晩でカビだらけになってしまうので、ほとんど食事としての役目は果たしてないように思える。まるでカビを育ているようだ。でも、床材入れ替え時にオケラたちを確認すると、着実に成長しているのは確か。一体、何を食べているのか不思議だ。共食いをしているのか、植物性だけで育っているのかわからないが、このまま彼らの生命力に頼ってしまうのでは心配。何かいい代用品はないかと思って、与えたのがカメの餌だった。
 我が家ではリクガメを飼っていたので、とりあえずその餌を与えてみる。カビはドッグフードに比べれば遅いものの、2日以上は持たなかった。それにリクガメの餌では植物質になるので、ニンジンで事足りている。そこで、思いついたのが水棲ガメの餌。水棲ガメは肉食だから、動物性の餌になるはず。リクガメしか飼っていなかったので、ホームセンターで購入し、早速試してみる。予想以上に小さな粒だったが、これがカビない。といっても、1週間もすれば白くなるのだが、それは表面に撒いたものだけで、深く埋めたのはカビが生えるまえに、消えてしまう。食べつくしたのか、床材の中にあるココナッツチップ内のバクテリアが分解したのか不明だが、水棲用餌ということで湿気にも強いのかもしれない。これは便利。遂に奇跡の餌を見つけたのかもしれない。でも本当に食べているのだろうか。食している光景を見るのが不可能なので、真実はわからない。ただ、水棲カメフードとニンジンがメインの餌として確定した。

奇跡?水棲ガメの餌
陸ガメフードを食べている姿を確認

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