昆虫界きっての道楽者 キリギリスを探して-10

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ついにキリギリスなのか

 飼育して暫く経つと、身体はみるみる大きくなったのだが、相も変わらない形状でキリギリスとは言い切れない。成体前のヤブキリとなんら違わないような気がする。不安が募るものの、一番大きな固体が最後と思われる脱皮を。終齢なのだろか、その大きな姿はキリギリスなのか、疑問が残った。羽が長いのだ。まだ乾いていないので、確定ではないが、腹部の先まで羽が伸びている。キリギリスは上羽が短く、腹部がまる出しなのが大きな特徴なのに、それはヤブキリのように腹部は羽で隠されていた。まさか、と不安が募る。

よく玉竜という名称で売られているジャノヒゲ(リュウノヒゲ)に変更。ヤブキリは全身茶色になった反省から、やはり緑は必要と判断。


 一晩明けると、乾いたためか上羽は多少短くなっていたが、やはり腹部とあまり変わらない。その文様はキリギリスなのだが、鳴いてくれないと判断できないではないか。もう少し季節が進んで、成体を捕獲すればいいのだが、あそこ以外にキリギリスが棲息していそうな場所が浮かばない。何ともいえないジレンマ。さて、どこに行けばいいのか。ただ、諦めてはいない。鳴きさえすれば、きっと確定できるのだ。言い換えれば、鳴き声が違ったら。
 一ヶ月が過ぎ、もう6月も終わりだ。見かけだけなら、キリギリスそのもの。もうヤブキリでもヒメギスでもない。立派なキリギリスだ。ただ、鳴かないのだ。どうも鳴き声を聞かないと安心できない。

これは立派なキリギリス。ついにキリギリスを捕獲したことに一安心。

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