昆虫界きっての道楽者 キリギリスを探して-13

昆虫界きっての道楽者 キリギリスを探して-13

キリギリス採集 後日談/キリギリスはいる所には結構いる。

 他の昆虫を求め、山間にある沼を訪れたときだった。静寂に包まれたような神秘的な沼だったが、周辺からギ~~~ッスの大合唱が。もう、採集記は終わっていたので、捕獲するつもりはサラサラなかったが、やはり気になる。鳴き声を辿ってみると、沼岸を取り巻く草むらから聞こえる。近づくと、そこには大量のキリギリス達が。あれほど苦労して、騙され続けて、ようやくホンモノに辿りついたのに。こんなにいるとは。。。唖然。

とにかく、そこかしこにいるキリギリス。いるとこにはいるものだ。

 これほど数多くのキリギリスを目にしたのは初めてだ。それに、どの個体も結構大きい。家で飼っていたキリギリスもかなり大きくなったが、それよりも二回りほど大きい。声も大きければ態度もでかい(って勝手な感想だが)。よくみると、多くのキリギリスが葉の上に横になって身動きしていない。死骸かと思って近づくと、素早く起き上がり飛び跳ねて身を隠した。そう、眠っていたのだ。ここ数日、雨が続いたので日光浴、甲羅干し、とにかく陽の光を浴びて昼寝をしている。しかし、うまくバランスをとりながら寝ているものだ。ほほえましい光景だが、これほど数がいると有り難味がなくなる。関東地方にはいないのではないのかとさえ思ったが、いるところにはいるものだ。まだまだ精進が足りない。他の昆虫も探せば、きっと見つけることできるはず。

そこかしこに横になっているキリギリスが。死んでいるのかと思ったが、近づくと一斉に飛び跳ねる。どうやら昼寝。うまく草の上でバランスをとって、雨に濡れた体を甲羅干ししている。

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