昆虫界きっての道楽者 キリギリスを探して-14

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キリギリスの瞳

 前から気になっていたのが、キリギリスの瞳。昆虫の目(複眼)は一色の球であると思われている、このキリギリスには瞳がある。黒く小さな点が、複眼の中央に存在している。そう、まるで瞳孔のようだ。この黒く見える部分は「偽瞳孔」といわれている。もちろん、複眼に瞳孔などない。「偽瞳孔」がなぜあるのかはわかっていないようだが、キリギリスの仲間だけではなく、カマキリなどにも見られる。確かにカマキリの瞳は捕獲者らしく、眼光鋭く感じる。この偽瞳孔が現れるのは複眼による光の吸収が原因らしいのだが、詳しくは不明。蝶やトンボにもあるのだが、キリギリスやカマキリの瞳とはどこか違うような気がする。キリギリスの瞳は、意思を持っているように思えるのだ。どこか人間ぽい。それが昆虫の機械的な身体と相反し、不気味でさえある。なんか悪巧みを企てている表情に見えるのは偏見だろうか。

第一話

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