ヤマトタマムシ外伝 タマムシの住む町-2

ヤマトタマムシ外伝 タマムシの住む町-2

タマムシ八角堂

 タマムシを使った建造物と云うと法隆寺の「玉虫厨子」が有名だ。やはり、飛鳥時代からタマムシの羽(鞘)は美しいものとして人々に重宝されたのだろう。
 ここの玉虫の会でも、そのシンボルとして「玉虫八角堂」が製作された。この地方がいつまでもタマムシの住める自然環境であることを願って飾られている。玉虫700匹で屋根ができているのだが、すべて飼育したタマムシが亡くなった後の鞘だけを使っている。捕獲して直ぐに殺生をするのではなく、やがて寿命を迎えて息絶えた固体だけを使用するという徹底振りは賞賛に値する。標本を否定する気は毛頭ないが、タマムシへの愛情が垣間見れるエピソードでもある。
 もちろん本体は桐で造られている。やはりタマムシといったら桐だ。蛇足ではあるが、この地方で映画の撮影があったとき、民宿に宿泊した俳優やスタッフに対して、会長さんは記念として桐箱入りのタマムシをプレゼントした。虫嫌いは多いかもしれないが、タマムシを嫌いな人は少ない。これも会長さんの持論である。もちろん成虫限定だが。

住みやすい自然環境を未来も守っていくためのシンボルとして製作したのが「玉虫八角堂」

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